会長挨拶

麦島秀雄会長 早いもので東日本大震災が発生し一年以上が経過いたしました。今なお津波や福島原子力発電所の被曝などで不自由な生活を余儀なくされている方が沢山いらっしゃいます。一日も早く元の生活に戻れることを願わずにはおられません。
 第48 回日本小児放射線学会学術集会では「こどもを巡る放射線診断と治療のあり方」をテーマに開催させて頂きます。本会は小児科,小児外科,放射線科領域に関る方々が自由に議論を交わし有意義な知識や情報交換が得られる学会として発展してまいりました。
 最近の放射線をめぐる診断,治療の進歩は目覚しいものがあります。また,昨年の東日本大震災により福島原発事故が発生し放射線被曝が生活に密着した,身近な問題となり社会の関心事になっています。今回の学会では診断,治療の進歩とともに放射線医療を取りまく被曝による合併症などについても忌憚のない意見交換の場に出来ればと考えてプログラムを企画しました。例年,演題募集の締め切りを延長するようでしたが今回は締め切り前に予定演題数を満たし,応募演題(一般及び要望演題)数57 題となりました。特別講演1 は「放射線の小児への影響」とくに原爆とチェルノブイリの疫学について放射線被曝の影響を年齢要因から考察していただきます。特別講演2 は「新しいX線による次世代のがん治療・診断」について日本初の研究成果をご紹介していただきます。教育講演1 は「中枢神経病変と皮膚病変を有する神経皮膚症候群」の特徴的な画像所見を中心に解説していただきます。教育講演2 は死亡時画像診断(Autopsy imaging)の総論と各論を解説していただきます。その他ランチョン
セミナー1 は「放射線被曝と小児内分泌疾患」ランチョンセミナー2 は「小児腎臓核医学検査の適正利用の実際」を解説していただきます。
 フィルムリーディングに関しては堤義之先生・藤田和俊先生に全面的にご協力いただきました。感謝申し上げます。
 また,本学会の新しい試みとして今回は小児核医学研究会(代表世話人 小泉潔先生,当番幹事 唐澤賢祐先生)との共同開催を企画いたしました。「小児診療における核医学の有用性」をテーマに11 題の演題が寄せられました。小児放射線に関る医療従事者にとっても有意義な会になることを期待しています。最後になりましたが本企画にご協力頂きました日本小児放射線学会理事長 金川公夫先生をはじめプログラム委員の先生方に深謝いたします。


第48回日本小児放射線学会学術集会
会長 麦島 秀雄
日本大学医学部小児科学系小児科学分野 主任教授
同附属板橋病院 副病院長

     
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