学会について

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日本小児放射線学会とは/理事長 就任のご挨拶

相田理事長 このたび、野坂俊介前理事長の後任として日本小児放射線学会の理事長に就任いたしましたので一言ご挨拶申し上げます。小児放射線学会は、放射線科医(画像診断医・放射線治療医)と小児科医、小児外科を主とする外科系会員が、合同で子ども達のためのより良い放射線医療を目指して研究発表と討議討論、教育活動を行う学術団体です。世の中に先駆けて、複数の専門家が集まりチーム医療としての小児放射線医学の向上を目指す団体を設立発展させてきたことは、諸先輩方の先見性の高さの賜と考えます。このような歴史ある学会の理事長を拝命し、大変光栄に感じるとともに様々の課題を考えると身の引き締まる思いでおります。

 このように高潔な学会理念と歴史がありながら、残念ながら我が国の小児放射線医療は決して恵まれた環境にあるとは言えません。現代の画像診断の中核を担うMRI台数、CT台数は日本が人口あたり世界第1位(OECD諸国中)で年々増えつづけ他国を圧倒して独走しています。このような高額機器の充実した潤沢な医療環境の中で日本の子ども達は、必ずしも年齢に合った良質の画像診断を受けられているとは言えないのです。その大きな理由としてはまず放射線診断専門医の不足があげられ、現状では全国のMRI台数(2012年で約6000台)より少なく、専門知識の必要な装置の特性を生かした画像診断が行えていない部分があります。さらに小児画像診断を専門とする医師は現状で全国に50人たらずしかいない現実があります。感受性が高く余命の長い子ども達は、被ばくを含めた侵襲に最も気をつけなければならず、病気の種類や所見も成人とは異なるので、小児画像診断には高い専門性が要求されます。我が国とは異なり、たとえば北米では州に最低一つはある小児病院に多数のスタッフが配属され、放射線診断専門医資格の取得にも小児画像診断は必須なので研修医の指導にも当たっています。我が国の小児放射線治療医はさらに少なく、常勤医師は国立成育医療研究センターに配属されているのみです。

 この厳しい現状を一朝一夕に変えることはできないでしょうが、未来ある子ども達によりよい放射線医療を施すことができることをめざし、放射線科医を目指す若手医師に小児放射線に興味を持ってもらうこと、主に成人の診療に当たっている放射線科医には小児領域の専門性を学んでもらうこと、小児科と小児を扱う外科系の先生方には被ばく低減などの知識を学んでもらい小児放射線診療の専門家として育成することを目標として、教育活動には特に力を入れたいと考えております。

 また、小児は画像診断時も放射線治療時も鎮静を必要とする割合が高いので、その安全な施行にも配慮する必要があります。小児の鎮静に関しては、検査時間が長く検査中の騒音も高いMRI検査に関し、日本小児科学会と日本小児麻酔学会とともに「MRI検査時の鎮静に関する共同提言」を2013年に発表し、その後も少しずつ改訂を行うとともに広報活動を行っております。この提言作成にあたり日本小児外科学会のご協力に対し謝辞を入れさせいただいておりますが、今後もこのように小児関連学会と日本医学放射線学会をはじめとする放射線関連学会と連携・協力し、小児放射線医療の発展に寄与できるように尽力したいと考えております。

 最後に、学会員の皆様にお願いがあります。当学会の財政状況は厳しく,改善を迫られております。まずは会計内容を吟味して支出を減らし広告収入などの増に務めるとともに理事会・各委員会でも色々な面で支出削減に努めるつもりでおりますが、多少の年会費の値上げをお願いせざるをえない状況で次回代議員会に提案する予定です。前述しましたように教育啓蒙活動に学会として力を入れ、小児画像診断・放射線治療に興味を持つ先生方が増えれば会員数が増え、最終目標である我が国の小児放射線医療の改善につながるとともに会費収入も増やすことができます。数年で財政状況好転のめどを立て、必要な事業をしっかりとできるようにしていく心づもりで、微力ながらできる限り努力するつもりでおります。

 未来ある日本の子ども達が、それにふさわしい放射線医療を日本のどこにいても受けられる世の中を作ることを目指していきたいと思っております。皆様のご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

2015年7月吉日

日本小児放射線学会理事長
神奈川県立こども医療センター放射線科
相 田 典 子

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