学会について

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「一般社団法人 日本小児放射線学会」設立のご挨拶

相田理事長 会員の皆様には日本小児放射線学会の活動及び小児放射線医療の発展のために日頃よりご協力いただき心よりお礼申し上げます。

 メールマガジンと学会HPにて簡単なご報告をいたしましたが、かねてよりHP等で経過を追ってお知らせしてきました通り、法人化部会と将来計画委員会が中心となって、理事会が数年にわたり尽力して参りました当会の一般社団法人化が2020年5月1日付で達成されましたことをご報告申し上げます。また、わたくしが設立時代表理事として届け出を行いましたので、法人化後も引き続きまして旧団体からの続く残りの任期約1年間を理事長としての職務に当たります。法人移行を実務的にスムーズに行うために努力する所存ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 法人化につきましては、会員の皆様の温かいご理解をいただき進めてこられましたことに深く感謝いたしております。また、法人化のステップにおきましては、代議員の皆様のご協力とともに、理事会メンバーには多大なご尽力をいただき、最終段階においてはCOVID-19禍で集まることもできない中、公的書類提出、書類への署名捺印をはじめとする種々の準備を、事務局の助けの下に滞りなく進められたことは、多彩な専門職による小児放射線医療の発展を設立時より一貫して目指してきた当学会の一致団結力を如実に示したものと感じました。法人化の達成は理事長再任時に掲げたわたくしの最大の目標であったこともありますが、このすばらしいチームワークが、法人化という当会の確実なステップアップの節目を、より感慨深いものとしてくれました。関わった先生方、事務局、関係各位に深い敬意と感謝の意を表したいと存じます。

 法人化によって当会の活動が大きく変化するわけではありませんが、公的な法人格を得たことで将来にわたるより一層の発展に向けた基礎固めができたものと思っております。法人化後初となる望月博之大会長による第56回学術集会は現在の厳しい状況の中で、開催に向けてご苦労を重ねておられますが、Webを主体とした開催になると伺っております。まずは、会員の皆様とともに第56回学術集会を盛り上げていきたいと存じます。
 会員の皆様におかれましても、通常とは異なる医療状況の下、様々のご苦労をされていると存じますが、日本における小児放射線医学を発展させ小児医療に貢献するという当会の基本理念を忘れずにともに研鑽を重ねていければと願っております。

2020年5月吉日

一般社団法人 日本小児放射線学会 理事長
神奈川県立こども医療センター放射線科
相田 典子

留任の御挨拶:学会法人化に向けて

 このたび、日本小児放射線学会理事長に前期に引き続き就任いたしましたのでご挨拶申し上げます。
 前期在任中には、会員に皆様のご理解とご協力により、学会誌の電子化とfree journal化、学会会費値上げを行うことができ、会議費削減をはじめとする学会経費支出の削減に役員一同一丸となって努めた結果、学会の財政状況は好転していることを皆様にご報告できることをとてもうれしく思います。学術・教育的には、3回の学術集会と教育セミナーを盛況のうちに終えることができました。国際的には、昨年当学会が東アジアで初めてImage Gently運動のAlliance Memberとして加盟が認められ、世界保健機構(WHO)が2016年に発表した小児医療被ばくのリスクコミュニケーションに関する冊子を日本医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)が和訳するのに際し参加団体として協力し、WHO公認の和訳版「小児画像診断における放射線被ばくリスクの伝え方」の作成を行いました。いずれも本学会HPに紹介しております。

 さて、今期も理事長を続ける決心をいたしました最大の理由は、現在任意団体である本学会の法人化を達成することにあります。学会の基盤を盤石にし、学術集会や教育セミナーを滞りなく行って、本会の目的である小児放射線医学の発展に寄与するためには、学会法人化は避けて通れない道です。過去2回の代議員会で申し上げたように2020年の法人化を目指し、理事会内に法人化部会を設立し具体的な作業に入りましたことをご報告申し上げます。今後随時HPやメールマガジンを通して作業の進展をご報告するとともに会員の皆様のご意見を募る機会も持つ予定です。新任の宮嵜 治 副理事長、法人化部会長に就任した小熊 栄二 理事とともに理事全員で鋭意努力いたしますので、会員の皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。

 以下は、3年前に新理事長となった時にご挨拶として書いたものですが、現在もわたくしの基本理念は変わっておりませんので、再掲させていただきます。

 小児放射線学会は、放射線科医(画像診断医・放射線治療医)と小児科医、小児外科を主とする外科系会員が、合同で子ども達のためのより良い放射線医療を目指して研究発表と討議討論、教育活動を行う学術団体です。世の中に先駆けて、複数の専門家が集まりチーム医療としての小児放射線医学の向上を目指す団体を設立発展させてきたことは、諸先輩方の先見性の高さの賜と考えます。このような歴史ある学会の理事長を拝命し、大変光栄に感じるとともに様々の課題を考えると身の引き締まる思いでおります。

 このように高潔な学会理念と歴史がありながら、残念ながら我が国の小児放射線医療は決して恵まれた環境にあるとは言えません。現代の画像診断の中核を担うMRI台数、CT台数は日本が人口あたり世界第1位(OECD諸国中)で年々増えつづけ他国を圧倒して独走しています。このような高額機器の充実した潤沢な医療環境の中で日本の子ども達は、必ずしも年齢に合った良質の画像診断を受けられているとは言えないのです。その大きな理由としてはまず放射線診断専門医の不足があげられ、現状では全国のMRI台数(2012年で約6000台)より少なく、専門知識の必要な装置の特性を生かした画像診断が行えていない部分があります。さらに小児画像診断を専門とする医師は現状で全国に50人たらずしかいない現実があります。放射線感受性が高く余命の長い子ども達は、被ばくを含めた侵襲に最も気をつけなければならず、病気の種類や所見も成人とは異なるので、小児画像診断には高い専門性が要求されます。我が国とは異なり、たとえば北米では州に最低一つはある小児病院に多数のスタッフが配属され、放射線診断専門医資格の取得にも小児画像診断は必須なので研修医の指導にも当たっています。我が国の小児放射線治療医はさらに少なく、常勤医師は国立成育医療研究センターに配属されているのみです。
 
 この厳しい現状を一朝一夕に変えることはできないでしょうが、未来ある子ども達によりよい放射線医療を施すことができることをめざし、放射線科医を目指す若手医師に小児放射線に興味を持ってもらうこと、主に成人の診療に当たっている放射線科医には小児領域の専門性を学んでもらうこと、小児科と小児を扱う外科系の先生方には被ばく低減などの知識を学んでもらい小児放射線診療の専門家として育成することを目標として、教育活動には特に力を入れたいと考えております。
 
 また、小児は画像診断時も放射線治療時も鎮静を必要とする割合が高いので、その安全な施行にも配慮する必要があります。小児の鎮静に関しては、検査時間が長く検査中の騒音も高いMRI検査に関し、日本小児科学会と日本小児麻酔学会とともに「MRI検査時の鎮静に関する共同提言」を2013年に発表し、その後も少しずつ改訂を行うとともに広報活動を行っております。この提言作成にあたり日本小児外科学会のご協力に対し謝辞を入れさせいただいておりますが、今後もこのように小児関連学会と日本医学放射線学会をはじめとする放射線関連学会と連携・協力し、小児放射線医療の発展に寄与できるように尽力したいと考えております。
     
 未来ある日本の子ども達が、それにふさわしい放射線医療を日本のどこにいても受けられる世の中を作ることを目指していきたいと思っております。皆様のご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。
    

2018年9月吉日

日本小児放射線学会理事長
神奈川県立こども医療センター放射線科
相 田 典 子

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